1978年(それは、Brian Eno「Ambient 1: Music for Airports」がリリースされた記念すべき年だ。)にリリースされたHarold Buddの名盤がリイシュー。盟友Brian Enoによるプロデュース。
さざ波のようにゆらめく鍵盤の音色を背景とし、サックスが伸びやかに、そして情緒的に鳴っている様が印象的。
夢、というモチーフは様々な作品でしばし利用される。そして、現実逃避するための場所という側面が少なからずある。しかし、Harold Buddの作品が持つ”夢”のモチーフは(2007年「Perhaps」も同様に)非常に切実で、現実に肉薄した響きを持つ。Harold Buddの音は我々を別の位相へ誘う乗り物(vehicle)として有能に働く。その異なる位相に移行することこそが我々の心に深い治癒をもたらす。(店主)