UKのジャズキーボーディスト、Greg Foatとベネチアが誇るアンビエントの巨匠Gigi Masinによるコラボレーション作品。
Gregが近年、Athens Of The Northからリリースした作品「Off-Piste」も(当店では人気盤。)素晴らしいアンビエント作品であった。
また、Bjork、Nujabesなど数多くのアーティストがサンプリングとして使用するGigiの名作たちが世の中に与えた影響は計り知れない。
2016年にリリースされたGigiの名作「Wind」をGregが夏の夕暮れによく聴いていたことが本コラボレーションのきっかけになっているという。
制作プロセスは、リモートで二人が共に作曲し、互いが互いの断片に肉付けしていくというスタイルを採用した。
本作はささやかな揺らぎのようなトラックと、しなやかに躍動するトラックがちょうど良いバランスで構成されている。
B2. SabenaはGigiが亡き妻に宛てた作品でピアノの旋律が非常に美しい。A1, B1, B3も同様に美しいアンビエント作品だ。
それらは、自然が生み出した海いるかの芸術的な流線が、水面を穏やかに揺らすよう。
それらと対照的にA2, B4などのトラックは微かな高揚を生み、本作を印象付けている。
特にB4 Viento Calidoの重要な装飾である、管を吹くような音(クレジットを見る限りBottle Blowだろうか。)がなんとも象徴的に美しい。海いるかが音を立てず体躯をしならせ、ディープブルーの抽象的な海を豊かに舞っているようだ。(店主)
#Ambient #Jazz #ModernClassical