この澄み渡るオーガニックなダンス・サウンドが与えるのは、人間が音楽を求め続ける根源的な喜びだ。湧き出るイマジネーションに従って、内なるプリミティブな感性に従って、身体を思いのままに躍動させる。それこそが史上の喜びであると実感する。
フランスのCosmocities Recordsよりコンピレーション作品が登場。2000年以降の日本のエレクトロニック・ミュージックを独自の視点でコンパイル。第一弾の本作はアンビエント/エレクトロニカ/ディープ・ハウスの側面が色濃く出ている。
Kaoru Inoueからは2曲。Groovement Organic Seriesよりリリースの「Em Paz(’18)」から同タイトルの一曲。また、SeedsAndGroundのコンピ「Sag Voyage(’06)」にも収録されたチルアウト・ユニットGabby & Lopezのリミックス作品がもう一曲。本作品を象徴する美しいオーガニックサウンドで幕を開ける。
FLAUのNoahからはディープ・ハウスの一曲が収録。得意とする抽象的な音像が美しい。
Kuniyuki からは「All These Things(’07)」からClassic, Jazzの一曲。モダンで気品高い高揚が本作の中でも際立っている。
ラストはKen IshiiのプロジェクトMetropolitan Harmonic Formulas。Mr. Fingersの名作「Can You Feel It」をカバー。サックスは菊池成孔。ジャジーでバレアリックなDeep Houseで美しく幕を閉じる。
マスタリングとカッティングにRichie Hawtin, Ricardo Villalobosなどトッププレーヤーからも支持されるManmade MasteringのTim Xaxierがクレジット。
(店主)
#Ambient #DeepHouse