遠くの景色に見る虚像、蜃気楼。管楽器の即興的に自由、かつ構築的に甘美な流線は、大気に揺れる蜃気楼の幻想性を思わせる。
Carlos Niñoの希少音源もリリースしてきたスペインのレーベル、Tokonoma records よりリリース。Tokonoma(床の間)など日本的なモチーフやアフリカン・ビーツを多用するレーベルの軸からはアヴァンギャルドで神秘的なニュアンスを色濃く感じる。本作はバルセロナの即興音楽シーンを盛り上げるErnest Pipó と Edu Ponsによるデュオ、Hekuraによるデビュー・アルバム。管楽器を主軸にアコースティックなギターが要所で折り重なる。また、ささやかな装飾としての電子音やサンプリングは実に多様だ。
今をときめくSam Gendel、Joseph Shabasonの幻想性とも共鳴する、アンビエント・ジャズシーンの現在を感じる一枚。
(店主)
#Ambient #Jazz