あらゆる領域において、本当に大切なことは既存の文脈からこぼれ落ちてしまうことが多い。それを掬い取る作業は孤独だ。権威性に安心することもできず、とつとつと自分の信念の向くままに進むしかない。Sam WilkesがLeaving Recordsと作り上げてきた諸作品は、そんな狭間にある淡さを持っている。そのフラジャイルな淡さが私たちにとって心の寄りどころとなり、既存の文脈にとって発明となる。
’18, ’21にリリースされた Sam Gendelとの共同クレジット・シリーズ「MUSIC FOR ~」がアンビエント/ジャズ・シーンに与えた影響はあまりにも大きい。’19の「Wilks」(Sam Gendelも参加)とも地続きでスタイルは一貫している。本作はMoonchild, Jacob Collierとも共演するJacob Mannとの共作。’21の「One Theme & Subsequent Improvisation」以来の共演だ。華やかに心が躍るビックバンドでの作品も残すJacob Mannの手腕が本作でも生きている。
Sam WilkesのR&B, Jazz, Hip-Hop, Ambient・・・ジャンルに縛られないスタイル。Jacob Mannの軽やかに美しいメロディの描画。二人が共鳴したからこそ生まれた名作だ。
(店主)
#Ambient #Jazz

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