東京のピアニスト、Iwamura Ryutaによる22年にアナログ化された作品。haruka nakamuraなど優れたアンビエント・ミュージックを世に送り出してきたfete musiqueよりリリース。マスタリングは田辺玄。作者の得意とするピアノの独奏に環境音のコラージュが大胆に使用されてる。その環境音はNY、リオ、アムステルダム、台北、東京、等、様々な都市で、作者自身によって録音された。その都市の名前が楽曲名となっている。
十分に長い環境音（靴音や、アナウンス、エンジン音）からイメージするのは、各都市に住む人々の物語だ。それらは、写真家ソール・ライターが切り取る喧騒のようにモダンでかつ内面的だ。そして美しいピアノの流線がその映像美を際立たせ、都市に生活する人々を称賛するようなバックグラウンド・ミュージックとなっている。
世界中には自分以外にも様々な営みがあって、彩があって、人が息づいているんだという実感が、盲目的で閉塞的な目の前の現実に拮抗し、救われる思いがする。
(店主)
#Ambient #ModernClassical