2006年にKrankyより1stをリリースして以降、日本のアンビエント/ドローンの領域を第一線で活躍し続ける、Chihei Hatakeyama。作者の織りなすサウンド・スケープは極上で、熟練の巧みの技が光る。その圧倒的なスキルに対して、マスタリング・エンジニアとしても世界中のアーティストから信頼を集めている。(このジャンルにおいてマスタリングが作品に与える影響はとても大きい。)
レーベルはアムスのField Records。2023年リリース。Sugai Ken、Imaginary Softwoods、Monolakeを近年リリースし、その動向に目が離せない。テーマとしてはSugai Ken「Tone River (’20)」と地続きで、水を巡る人の営みに焦点を当てている。秋田県の八郎潟を題材にしたのが本作だ。
まず一聴、驚くのがそのフィールド・レコーディングの、研ぎ澄まされた思念のようにクリアな音像だ。そこに作者が奏でるサウンド・スケープが、自然界にあたかも元から存在していたかのように溶け込んでいく。
ここで、はたと考えが止まる。鳥のさえずりと作者の作り出した音、どちらが「本当に八郎潟で鳴っている音」なのだろう、という錯覚だ。作者の音は自然音に対する抽象化であるのかもしれないし、自然音は作者のイマジネーションの比喩であるのかもしれない。具体と抽象が、主体と客体が混濁するほどイマジナリーで、そこに美しさを感じる。
(店主)
#Ambient #FieldRecording

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