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小瀬村晶 – SEASONS [LP]

¥4,950

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ポスト・クラシカルシーンを代表する、小瀬村晶。ピアノ曲を中心にポスト・クラシカル/ アンビエント/ 映画音楽 など仕立ての方法は幅広い。2000年代後半以降のエレクトロ/ ポストクラシカル・シーンをharuka nakamuraなどと共に作ってきた中心的存在。

レーベルは、ロック/ ポピュラー・ミュージックからクラシックまで、音楽史に数多くの名盤を残してきた名門、Decca。そのDeccaが小瀬村を起用。国際的評価の高い作者にとって何ら違和感はない。本作以前は、プライベート・レーベルでのリリースが中心であったため、コマーシャルで大味な転換があるかと思いきや、そんなことはなかった。むしろより、内面的に洗練されている。例えば、彼が本作で焦点を当てたモチーフは日本の四季だった。それは非常にパーソナルで内省的な機微に満ちたモチーフである。

本作は、4つの季節に対して3曲ずつ全12曲を収録。一貫してピアノ・ソロの、至極ミニマルな構成だ。代表曲「Light Dance」を含む過去作「Tiny Musical (’08)」と比較するとエレクトロニクスはなく、ピュアなピアノの表情を存分に楽しむことができる。また、ある種の即興性を尊重して作られたという本作は、それ故の美しい余白、しなやかさを持っている。その一方で、情緒的にあまりにも美しい旋律も併せ持っているあたりは、Keith Jarrett / The Melody at Night, with Youを引き合いに出しても違和感はないだろう。そして、印象に残るのは美しい音響。ミックス、 檜谷瞬六とマスタリング、Zino Mikoreyによる功績も大きい。

季節が移い、自然の恵みが芽吹くこと、はたまた彩と共に散っていくこと。それらを仔細に眺めること。そして、そこから何かを感じることが、生きていく上で非常に重要なこととなる。魅惑的な熱狂の渦から抜け出せないときには、この作品を是非聴いてほしい。季節の移ろいを丁寧に描くピアノの運びは、心に安らぎをもたらし、自分を自分の中に留めておくことを助けてくれるだろう。

(店主)

#Ambient #ModernClassical