ポーランドのピアニスト、マルチン・ボシレフスキ。彼がリーダーを務めるトリオがECMよりリリース。録音は2016年、ベルギーのフェスティバルにて。演者は録音されていることを知らなかったようで、演奏のベクトルはマイクではなく、オーディエンスを向いている。結果として、密室的でないダイナミクスが演奏に潜んでいる。また、ライブ盤でありながら粗雑な印象を与えないのは、演者の卓越したスキル、そしてECMの最高峰の録音技術によるものだろう。演奏楽曲は過去作「Spark Of Life (’13)」が中心。オーディエンスと熱量を交換する動的な表現に、原盤とは異なる本作固有の創造性が滲んでいる。ジャンルを問わない開放的な音の連なりや、胸が高なるしなやかなグルーヴは、キース・ジャレットや同国のスワヴェク・ヤスクウケを引き合いに出すのが有効だろう。
(店主)
#Ambient #Jazz

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