IIKKIより2018年リリース。カンザス州在住のチェロ奏者、Aaron Martin。作品を一貫してストリングスが幾重にも重なり、時折ウィスパーボイスなどが重要なレイヤーとなっている。それらの要素は持続音,残響音として伸びやかにそして情緒的に、筆絵のようなドローン作品として捉えることができる。(Aaron Martinの作品はほとんどカンザスで録音されており、そののびやかさはカンザスの広大な大地に起因するのだろうか。)
優れたドローン作品は自我に閉じこもった”やわ”な内省では成立しない。フィジカルなタフネスと躍動感、歓喜・・・。この作品は個体としてのチェロが鳴り響いている。その、ここに確かに存在しているコンクリートな個体から発せられる音は我々の胸を強く打つ。
(店主)