フィリピンをルーツに持つサンフランシスコ出身のAna Roxanne。自主制作盤をLeaving Recordsより再発し、作者に光が当たる。その後、Krankyよりフルレングスをリリースし、より広く世に知られることとなる。決して多作でない作者の貴重な1stが待望のリイシュー。
一見、ミニマルに伺える音像は、心を落ち着けて耳を澄ますと、多様な選択肢に満ちていることに気づく。例えば、シンセやヴォイスの持続音は、ある側面は清く澄みながら、別の側面は重要なくぐもり方をしている。また、俯瞰して見ると、ニューエイジ・リバイバルの神秘性を孕みながら、その一方で、ルーツミュージックに即した土着的な響きさえ併せ持っている。それらの複合的で抽象的な音の層は、暴力的なわかりやすさとは距離を置き、システマチックなこの現実世界に一滴の重要な淡さを与えている。それは、多様な出自を持ちながら、性がもたらすアイデンティティを模索(自身はインターセックスであることを公表している。)した作者にとって固有のイマジネーションなのだろう。
(店主)
Ambient/ NewAge/ Drone

![Ana Roxanne - ~~~ [LP]](https://harunoame.com/wp-content/uploads/2024/03/IMG_8916_VSCO.jpg)
![Nico Georis - Cloud Suites [LP]](https://harunoame.com/wp-content/uploads/2023/06/A6BE8CC2-CE06-4C1C-ACD8-3BA116599134-280x280.jpg)
![Sam Gendel - Fresh Bread [2LP]](https://harunoame.com/wp-content/uploads/2023/06/8E9AF43C-6C34-4A32-B36B-83BC5C4725D9-280x280.jpg)
![Xyla - Ways [LP]](https://harunoame.com/wp-content/uploads/2023/09/6CF3CF7E-6B9B-44D3-AA00-448DF8DE9031-280x280.jpg)
![Sam Wilkes - WILKES [LP]](https://harunoame.com/wp-content/uploads/2024/01/B0C0C8BA-0444-4DBF-A69A-F5816E2E6508-280x280.jpg)