ECMよりイスラエルのピアニスト、ニタイ・ハーシュコヴィッツのソロ・デビュー作。アヴィシャイ・コーエンのバンドに参加するなど音楽家からの信頼も厚い。過去、ECMからはOded Tzur の諸作に参加している。ジャズを素地とした即興性、華麗な手数。クラシック音楽の華麗さ、雄大な表現力。現代音楽のニュアンスから漂う、美しい探究心。彼の幹となっている音楽性は実に多面的だ。即興的にダイナミックな線を描いたかと思えば、情緒的なタッチで機微に満ちた輪郭を形取ることも。その幅広い表現力をじっと観察する時間はなんと贅沢なのだろう。ECMが長い歴史の中で築いてきたソロ・ピアノのカタログに堂々と名を刻んでいる。
(店主)
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