アンビエントR&B なんて今更カテゴライズする必要もないかもしれない。2016年に突如発表された今作がいかに世界にとって衝撃であったかは計り知れない。既存の評価基準は使い物にならなくなったし、一面的なアティチュードも陳腐化した。
Blond /Blonde（性別で異なる名詞） を使い分けている点やパーソナリティの多面性など、今作の根底にあるストーリーはあらゆるメタファーで煙に巻かれており単純ではない。それらについては優れたレビューが世の中に数多く発表されているので是非ご覧いただきたい。
Deluxe EditionとしてKOHH /A$AP Rocky /Jay-Z /Tyler The Creatorをそれぞれフィーチャリングした楽曲を収録。
大切な小説を何回も読み返すように、本作について時折思い出し聴きかえす。印象に残るフレーズは文字や音として注意深く反芻し、抽象的な（ただ、なにか引っかかる）表現を体に染み込ませる。そのようにして少しづつこの作品について理解してきた。
マジョリティはマイノリティの総和であるのかもしれない。今作が”ポップス”として成功したことがこの世界にとっての希望だ。（店主）
#Ambient #R&B