シカゴ出身のシンガーソングライターGia Margaretは2020年に前作「Mia Gargaret」をリリース。
声を失う病に倒れた彼女の、ある種自身への治癒行為の様な作品は世界中のリスナーを励まし、癒す名盤となった。
その続編と位置付けられる今作は同様にボーカルのほぼないアンビエント作品。サティやエチオピアのEmahoy Tsegué-Maryam Guébrou、高木正勝に強いリスペクトを示している。
感情の形を丁寧に確かめる様なアコースティックピアノ/ギター、サックスが主として鳴る。窓を開けると耳に入ってくる鳥や虫、雨などの環境音がそれらに調和する。一才の無駄のない煌びやかな電子音のレイヤーがかすかな装飾として加わる。
大海に漂う網の結び目の様に人は何かと繋がっている。ただ、その接続が、特に”仮想的な”接続が過剰になった時、自分が現実的にどこにいるのか何に含まれているのかを見失うことがある。
Gia Margaretが主題とした”Romantic”なストーリーは逆説的に、目の前のかけがえのない現実に焦点を当てている。仮想的な接続に本質などない。私たちは耳を開いて、今そこにある美しい現実を実感することができる。今作はそう語りかけてくる様だった。(店主)
#Ambient #ModernClassical

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