アンビエント・シーンにおけるイタリアの巨匠、Gigi Masin。共作するのは、Astral Industries からのリリースが絶品であった、Rod Modell。A面はGigiがコンポーズ、Rod がリワーク。B面はその逆というように、構築の手法が異なる。その土台と装飾の施しの差異が、如実に作品へ投影されているのでじっくりと確かめていただきたい。Rod が織りなす持続音は実に美しい。 一見、内省的な印象を与えるかもしれない。しかし、それは陰鬱としたものではない。やわな音では剥き出すことのできない内面まで到達し、胸の奥を恍惚とさせる。Gigi は得意とするクリアな音の像で、その持続音に化粧を施す。その演出に嫌味はなく、両者の音は見分けがつかないほど混じり合っている。
(店主)
#Ambient #Drone