メディテーティブな印象を与える、一切の無駄のないエレピの配列。十分にリバーブのかかった神秘性をはらむシンセの持続音。それが多層的に折り重なる様は、薄い絹のベールが風に揺れるように繊細だ。この作品に身を預けていると、水面が乱反射する穏やかに揺れる壮大な海に、そっと抱かれるような感覚を得る。
オリジナルは1988年。初のヴァイナル・リイシュー。Harold Buddの代表作を時系列で表すと、Brian Eno との合作「Ambient 2: The Plateaux of Mirror (’80)」の後に本作は位置し、ミニマルなアコースティック・ピアノが美しい「Perhaps(’07)」の前に位置する。本作は彼の諸作の中でもシンセのリバーブが十分に利いた80’sニューエイジ的質感が色濃く出ている。晩年に向けて、ミニマルで厳かな作風に移行する中で、この時期に特有の神秘性が存分に楽しめる。
Harold Buddと共作を数多く残すRobin GuthrieがA2, A4を共同プロデュース。Brian EnoがB2で共同プロデュース。
2020年に惜しくもこの世を去った、Harold Budd。彼がアンビエント・ミュージックの歴史に残した功績は大きい。名盤の貴重なリイシューを是非。
(店主)
#Ambient

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