haruka nakamura と Nujabes、もう大袈裟な紹介は不要だろう。2000年以降、垣根なく世界中のミュージック・ラバーに愛されてきた音楽家。名作が新たに再発された。
二人の関係性について少し触れる。まず、2000年代前半、無名のharuka nakamuraに光を当てたのが、彼も敬愛するNujabes。二人はセッションを重ね、haruka nakamuraの初期作「MELODICA (’13)」を共に制作する中、残念ながらNujabesはこの世を去る。
本作は、そのNujabesが残したHydeoutよりリリース。Nujabesの没後10年に敬意を表し制作された、記念碑のような作品。Nujabes が人生をかけて残した美しい旋律を、無駄な装飾のないピアノやギターを主軸に丁寧になぞる。それは新たな解釈であり、創造であり、カヴァーと呼ばれる類のものではない。haruka nakamura が全身全霊をかけて、偉大なる名曲と向かい合った熱量がひしひしと伝わる。
収録曲「Waltz of Reflection Eternal」の原型は、Nujabesの代表曲「Reflection Eternal」。まず、Nujabes無き世界で、そのタイトル自体が象徴的に際立っている。そして、原曲でリフレインされる「You’re flower, You’re river, You’re rainbow」を思い出す。その言葉が新たな重量を持ち、聞き手の内側に静かに沈んでいくのを感じる。
(店主)
Ambient/ ModernClassical
Tracklist:
SIDE A
1.Another Reflection
2.Horizon
3.Waltz of Reflection Eternal
4.flowers
5.kumomi
6.Feather
SIDE B
7.latitude
8.Light on the land
9.Final View
10.World’s end Rhapsody