陽が登り、水が巡り、命は呼吸する・・・Heliosの音楽から得るインスピレーションは、そのような地球の循環を描く、早送りの映像のようだ。その神々しさが与える、穏やかに清らかな心の状態は自然崇拝に近しい効用だろう。テーマが凡庸に抽象的であると説得力が乏しくなるのが常。しかし、Heliosが描く壮大な景色は解像度を失わない。圧倒的に力強く美しいサウンドスケープだ。
Keith KenniffによるプロジェクトHelios。Ghostly Internationalと18年に契約し、3作品目のリリース(LPリリースは2作目のリリース)。別名義のGoldmund はピアノを主軸にしたミニマルな展開が多いのと比較し、Heliosのスタイルはアコギのアルペジオ、緩やかなビート、エレクトロニクスの装飾がドラマチックに展開する。
「Veriditas(’18)」ではビートのない壮大なアンビエンス、サウンドスケープに徹していた。本作は、初期作品「Eingya(’06)」や「Caesura(’08)」にビートの配置が近しい。心拍より少し早いビート、アコギのアルペジオ、揺らぐシンセのハーモニー、美しいコードの移行、淡く広がるエレキの歪み・・・それらが随所に散りばめられている様はまさにHeliosらしい壮大なエレクトロニクスだ。
トラック10「Emeralds」ではパートナーのHollie Kenniffがコーラスで参加。
Keith Kenniffが名義を変えながら長いキャリアで提示し続けているスタイルは一貫している。成熟し、洗練され、ここにきて最高地点に達している。(店主)
#Ambient #Downtempo

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