Brian Enoが提唱するアンビエントを咀嚼しながら日本固有の非常に土着的な解釈で「環境音楽」として落とし込んだのが吉村弘の諸作であり、このファーストアルバムの「Music for Nine Post Cards」である。1982年にオリジナルリリース。プロデュースは芦川聡であった。
今作はマスターテープを使用してリマスタリングした正規リイシュー。日本語の帯が付き、氏の妻Yoko Yoshimuraによるライナーノーツが新たに付属。
Visible CloaksのMaxwell August CroyとSpencer Doranが設立した新レーベルEmpire of Signsよりリリース。
品川区の原美術館を訪れた際に本作のイマジネーションを得たという。”Nine Post Cards”はその美術館から見える窓辺の風景を意味している。タイトルにはその窓辺から見える花鳥風月ともとれるワードが散りばめられている。
自らの精神世界をメディテーティブに探索するアプローチではなく視野は外に広がっている。美しい世界を目で見ることができる、手に触れることができる、その主体こそが自己であるのだと、示している様だ。ミニマルでありながら様々な角度から何度も味わうことのできる美しい名作だ。
(店主)
Ambient/ Minimal

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