Terry Riley’sの「In C」を演奏するアンサンブルとして出会ったLAの二人、Jeremiah Chiu と Marta Sofia Honer。Carlos Niño、Makaya McCravenをリリースしてきたシカゴの名門レーベル、International Anthemによって無名の彼らが日の目を浴びることになった。2022年のアナログ・リリース。
2017年、二人がスウェーデンとフィンランドの間に位置するオーランド諸島を旅したことが本作を制作する起点となった。島について学ぶにつれ、その地で音楽を録音するというコンセプトが生まれる。夏には太陽が沈まず（冬には太陽が出ない）、フェリーのみに移動が制限される孤立したその地に、インスピレーションを得て録音は進んだ。その録音素材にヴィオラ、パイプオルガン、ピアノ、シンセ等を付け加えていった。作品のタイトルはその録音を尊重し、「Recordings from the Åland Islands」とした。
一般的に自然そのものの音は純粋で美しいが、この作品はフィールド・レコーディングだけでは成立しなかった。二人の音楽家のフィルターを通し、自然の移ろいが翻訳され、置き換えられ、よりその自然そのものの美しさを、内面的な在り方を、見事に掴み取っている。これは是非、アナログで音の細部まで堪能いただきたい。
(店主)
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