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Laurel Halo – Atlas [LP]

¥4,890

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人間の営みのない未開の地に到達したとき、聴こえてくるのはどんな音なのだろう。脈打つ血流の拍だろうか。「Eureka !」と意識が感嘆する音だろうか。本作はそんな壮大な比喩をも厭わない、美しい音楽だ。
ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、サックスが幾重にも折り重なり、輪郭と境界がぼやけ、必要十分な抽象度を保っている。壮大だが繊細さを失わず、フラジャイルな機微がありながら、みずみずしいダイナミズムを失っていない。
客観的に俯瞰すると音像は少々内省的な印象を与えるかもしれない。しかし、音楽を明暗の二面性で捉えると本質を失う。音楽に共感する私たちの感情は単純ではないからだ。この作品がもつ複雑性は私たちの心に深い共感を与える。

Laurel HaloはLAを拠点とする作曲家/DJ。過去作ではテクノ/ エレクトロニカのニュアンスが全面に出ていたが本作ではピアノ、ヴァイオリン、チェロと向き合い、モダンクラシカル/ 実験音楽 に傾倒している。
1stアルバム「Quarantine(’12)」はいきなりHyperdubよりリリース。WIRE誌で年間ベストに選出されるなど華々しいデビューを飾る。坂本龍一が生前、最後に残したプレイリスト「funeral」ではバッハ、ドビュッシー、サティ、エンニオ・モリコーネなど巨匠と並び、Laurel Haloの「Breath」で締め括られた。(スコアによる評価は本質ではないかもしれないが、)本作のPitchforkでの評価はなんと、8.1。世界中のリスナーが作者の音楽に注目している。

本作は作者が新たに創設したレーベル、Aweよりリリース(本作にかける強い思いが伺える)。レーベルAD 93から「Conduit(’22)」をリリースしたCoby SeyがA5「Belleville」でクレジット。録音は様々な名作が誕生してきたパリのIna-GRM Studioにて。
是非、レコードで何度も聴いていただきたい。
(店主)

#Ambient #ModernClassical #Experimental #Jazz