ノルウェーのS.S.W.ジェニー・ヴァルとホーヴァル・ウォルデンによるユニット、ロストガールズ。タイトル曲の「Menneskekollektivet」はポエトリーリーディングから始まり、徐々に生の打楽器/シンセ/歌唱の断片が折り重なることで高揚とうねりが生まれ、アンビエントハウスとして昇華される。
タイトルの「Menneskekollektivet」はノルウェー語で「人間の集団/共同体」を意味する。個人と集団/組織/システム・・・。かけがえのない我々一人一人は、集団の中で自分を見失ったり、はたまた自分のかけがえなさを見出したりする。この曲はポエムから始まり、じんわりと歌唱/生楽器の肉体的な音像へと展開されていく。その様は、自我の殻を破り他者との邂逅を経て歓喜を知る、誰かの(もしくは誰にも当てはまる)回顧録のよう。このアルバムを通底しているイメージは、内省とその先にある祝祭だ。
(店主)