maya ongaku の1stが再発された。以下、オリジナル販売時の紹介文を再掲。
事象に名前を付けることが、わかるということではない。真理はいつでも曖昧で、区切り、割り切れるものではない。maya ongakuの作品に耳を澄ましていると(それは風の動きに耳を澄ますことに近しい。)、いかに自然と自分との境界は曖昧で、ただの漂う存在に過ぎないのかを実感する。そして、その実感は私たちに凪のような安寧をもたらす。
Kikagaku Moyo/幾何学模様が主宰するレーベルGURUGURU BRAINから初のLPをリリース。地元が藤沢の21年に結成された3人組バンド、maya ongaku。バンド名の由来はマヤ文明からではない。「視野(シヤ)の裏や外。目で見えない景色。」を意味する造語とのこと。60年代の小杉武久らが参加した即興集団「Group Ongaku」からのインスピレーションもあると言う。その経緯から垣間見れる哲学は非常にクールだ。
「Fuji Rock」「FFKT」等への参加、細野晴臣のラジオに出演するなど国内の評価はもちろんのこと、幾何学模様と同様に海外で圧倒的な人気が出るのも時間の問題だろう。
編成にドラムがなく、民族楽器や自ら制作した楽器を使うなど表現の幅は広い。はっぴいえんどのような土着性、坂本慎太郎のようなサイケデリアが垣間見られながらも、作品を通して印象的なのは、抽象的でアンビエンスな音の装飾だ。トラック3「Description~」のヴォーカルワークしかり、トラック7「Water Dream」の背景に潜む自然音しかりである。
彼らの活躍をこれからも注目したい。
(店主)
Ambient/ Folk