2017年に突然、この世を去ったMika Vainio。電子音楽の歴史にとって、大きな損失であった。そのMika Vainioの96年作品が再発。池田亮司も名を連ねるSähkö Recordingsより。
作者の得意とするグリッチ音（システム・ノイズ）は端的な表現にもかかわらず、思慮深い。ミニマルな環境で、一つでも半端な音を惰性で置いたら、シラけてしまう。しかし、Mika Vainioのグリッチ・ループでそのようなことはない。没入と高揚。音色や余白は完璧なまでに洗練されている。リリースから28年、時の試練に打ち勝つマスターピース。
alva noto/ 池田亮司/ Taylor Deupreeがお好きな方の琴線に触れると嬉しい。
(店主)
Ambient/ Techno
