シカゴのWill Millerが率いるプロジェクト、Resavoir 。2019年のセルフタイトル作品に続き、2枚目のセルフタイトルを2023年11月にリリース。レーベルは、Carlos Niño、Makaya McCravenをリリースしてきたシカゴの名門、International Anthem。
温かみがあり、まろみのあるシンセの質感からはベッドルーム・ミュージック、ニューエイジの要素が感じられる。その一方で、しっかりとした’ため’と揺らぎはソウルジャズ、インディーヒップホップの要素だろう。それらは、近年のアンビエント、ジャズ、ベッドルームを周辺としたムーブメントに呼応する。2010年台初頭のインディーヒップホップを下地として、Mac Miller, ASAP Rocky, Chance The Rapperと共作してきた作者のキャリアが如実に今作に投影されている。
Sen Morimotoが参加した2019年の前作も素晴らしかったが、よりゆったりとした歩幅で本作は進んでいく。音の輪郭は角が取れ、音の連なりは余白や抽象性を重んじている。ホルンやバイオリン、シンセのメロウな流線が、にじむ薄暮の移ろいのように胸の奥に陰影を残す。
(店主)
#Ambient #SoulJazz