mule musiqより人気作が待望のリプレス。近年のSaphileaumは名レーベルから引っ張りだこ。Constellation Tatsu/ Oslated/ Not Not Fun/ Good Morning Tapes 等々、特に2020年以降の勢いが凄まじい。そして、ここに来て本作が唸るほどのクオリティ。まず、外観はトロピカルでバレアリックなダウンテンポ。そして、トライバルな質感が一貫し、ストーリーは進む。深い森林を想起させるField rec.の音色は作品に広がりを与え、繰り返すオーガニックなパーカッションはソフトなトランスの効能。メディテーティブで魅惑的な風合いまで漂う。
トライバルな高揚感がありながら、そこに雑味はない。身体の火照りをチルアウトする、細かいミストを浴びたような潤いまで、この作品には含有される。卓越した打楽器の配置や抽象的な音の装飾が、聴者に洗練されたイメージを与えるのだろう。そしてそれらは借り物の技術ではない。グルジアの民俗を幼い頃から吸収し、電子音楽に慣れ親しんだ作者固有の音楽だ。
(店主)
Ambient/ DeepTechno/ Tribal