残念ながら作者の情報はあまり世に出ていない。レーベルは自身のレーベルから。Only vinyl リリース。ストリーミング等での配信もなし。その姿勢からより神秘性は際立つ。今作はシリーズ三作目。シリーズの中でも、よりアンビエンス漂う本作を新たにストック。時流に惑うことなく、ひっそりと着実に、ヴァイナル作品を世に残し続けている。
ビートメイクは気骨ながら、構築のあり方に緻密な気配りを感じる。それと対照的に際立つのは、うわもののミニマルなクリック音。至極、ミニマルでありながら単調でない。ストイックな緊張感はなく、アートワークと同調するように、ある種のチャーミングさまで漂っている。少ない音数で聴者を魅了する、その音色の選択は卓越したセンスがもたらすものだろう。
(店主)
#Ambient #Minimal