カナダを代表する音楽家、Stephan Moccio(ステファン・モッキオ)。彼のキャリアは華々しい。トロント王立音楽院を修了した後、様々なレコーディングを経験。バンクーバー五輪への楽曲提供、セリーヌ・ディオン/ サラ・ブライトマンへの楽曲提供、グラミー賞/ アカデミー賞のノミネート等々・・・。
その大舞台での実績とは対極的に、本作は非常に内面的なベクトルを持っている。まず、ピアノのみのミニマルな構成。それが故に、彼らしい美しい旋律が際立っている。その旋律は、ここがサビだと言わんばかりの仰々しさはなく、どこをどう切り取っても欠落のない姿にうっとりとする。また、全体を俯瞰すると大袈裟な起伏は見当たらない。しかし、単調な印象は与えない。最後まで聴者の傍らに寄り添えるのは、作者の卓越したスキルによるものだろう。
プロデュース業に徹する彼があらゆる重力から解放され、自己表現を煮詰めた結果に生まれた傑作だ。
(店主)
#Ambient #ModernClassical

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