Ambient Dub/ Deep techno を得意とするロシアのToki Fuko。リリースしたのはロンドンのAstral Industriesより。これが実に美しいレーベルなのだ。アートワークの統一感含め、深い深いドローンサウンドを軸に、固有の哲学を提示し続けている。そのToki FukoがLowless Musicからリリースした21年作も美しかったが、今作は音の成り立ちが少々変わり、Astral Industriesの哲学を尊重した形となっている。
サウンドスケープを構成するのは、木管の笛、鳥の声、洞窟の鳴き声のような低音、喉歌のような倍音。それらが流動的に渾身一体となる。体を鎮めてこの世界に身を預けていると、訪れる時間の流れは静かに瞑想的だ。ーーーいや、一旦呼吸を戻し、その周期的な低音に、体内のリズムを合わせてみる。すると、美しいうわものも相まって、全身が喜びに満ちて動き出す。この両義的な効能。何度も様々な角度からじっくり眺めたい。180g重量盤。是非、ヴァイナルで貴重な一枚を。
(店主)
#Ambient #Drone