B1「Did you Know」に注目する。滲むように切ない響きをはらみながら、強くしなやかに鳴る、Alabaster DePlumeのテナー・サックス。その響きが持つノスタルジアの残影が胸の奥を捉えて離さない。コーラス・ワークとポエトリー・リーディング、ヴォーカル・ワークの狭間にあるような歌唱。端々まで豊かでフラジャイルな響きをまとう、ファルセット。それらが、互いを必要とし共鳴する様はかけがえのない愛情のように美しい。
ロンドンのジャズ・シーンを代表するサックス奏者、Alabaster DePlume。即興的なスピリチュアル・ジャズ、エスニックな風味のある土着的なフォークを作風の背景とし、ポエトリー・リーディングをスタイルの一つとして得意とする。Carlos Niño、Makaya McCravenをリリースしてきたシカゴの名門レーベル、International Anthemより2023年のリリース。
本作が生まれたのは、南ロンドンのジャズ・シーンを支えるスタジオ兼レーベル、「Total Refreshment Centre」。むしろシーンを作り出すコミュニティと呼んでもいい。MAKAYA McCRAVENもここでのセッションを作品に残している。本作は、そのTotal Refreshment Centreでのセッションの延長線上で制作され、その新鮮さと躍動感が作風に如実に現れている。セッションの方向性は、各方面で絶賛された前作「GOLD (’22)」のツアーと地続きでありながら、初参加のヴォーカル・フューチャーを迎えるなど作者の新たな創造性が垣間見れる。
(店主)
#Ambient #Jazz #Folk

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