レーベルはDeutsche Grammophon(ドイツ・グラモフォン)。1898年にドイツで創設された世界で最も長い歴史を持つクラシック音楽のレーベルだ。通称「イエロー・レーベル」。このレーベルを象徴するマークを一度は見たことがあるだろう。その由緒正しきレーベルから、ポーランドのピアニストHania Raniと同国のチェリストDobrawa Czocherによる2021年リリースの作品。
二人の初めての共作は2015年。本作が二作品目。前作と比較するとその起伏のあるオーケストラレーションから距離を置き、より抽象的なアンビエンスに近づいている。本作をリリースした2021年といえばHania Raniの名作「Esja」「Home」に続く形のリリースとなり、表現方法は異なるもののイマジネーションは地続きであるのだろう。
Dobrawa Czocherが弾くチェロの非音楽的な響き(もちろん体系的な音楽的素養に裏付けられた応用なのだろう。)にHania Raniが動物的な嗅覚で反応し、豊かな抽象世界を描いている。その親密な響きは音楽学校の頃から共に奏でていた二人の関係性を如実に表している。また、Hania Raniの諸作が持つ内省性は保ちながらも、その性質を理解した上でDobrawa Czocherが幾分華やかに、そして広大に景色を広げている印象を受ける。
少量のみ確保できました。お早めに是非。
(店主)
#Ambient #ModernClassical