高木正勝 – マージナリア III [LP]

¥5,720

在庫あり

細田守 作品、朝ドラの劇伴を務めるなど、今や日本を代表する音楽家、高木正勝。AOKI takamasaと共にSILICOMでデビューするなど、映像作家/ 電子音楽の側面に最初に光が当たった。初期の作品はグリッチなどエレクトロニカ・サウンドが印象に残る。途中、「Private / Public (’07)」「Tai Rei Tei Rio (’09)」ではワールド・ミュージックの要素が色濃く表現される。世界中を旅した作者ならではの視点だろう。その後、2011年以降、山奥への移住をきっかけに、作品の色合いに変化が訪れる。(2011年、日本人にとってそれは、非常に大きな時代の境目だ。)その変化の一つがこのマージナリア・シリーズ。自宅の窓を広く開け、ピアノを独奏する。作品には、山奥の自然の音が存分に含まれている。いや、むしろ独奏という表現は適していないかもしれない。自然の音はピアノと調和し、共に創造性の一部を担っている。録音マイクをピアノだけでなく、自然の中にも数多く向けていることから作者のこだわりが伝わる。そんなマージナリア・シリーズは、#140を超えて制作され、作者の重要なライフワークとなっている。

本作、マージナリア III では雷鳴、蝉の声が届いてくる。夏の野山に命が発露するような力強さが伝わる。ピアノはそれに呼応するよう、時に華やかに、時に囁くように、自然の佇まいを観察している。

(店主)

#Ambient #ModernClassical

track list :
A1.Marginalia #48
A2.Marginalia #60
A3.Marginalia #62
A4.Marginalia #61
A5.Marginalia #66
B1.Marginalia #71
B2.Marginalia #75
B3.Marginalia #76
B4.Marginalia #65